登場人物
- 山本祐一(34)
印刷メーカー営業職 正社員(勤続10年)
実際に土地や建物を見ると少しワクワクしてきた。
でも、やっぱりローンのことが心配。 - 山本紗希(28)
医療事務 パート
実際に土地や建物を見るとかなりワクワクしてきた。
ネットフリックスにハマってきている。 - 山本はじめ(4)・のぞむ(2)
幼稚園・保育園
好きなたべものはイチゴ。
最近ウルトラマンのソフビが増えてきた。 - 中島(?)
不動産会社営業職
泉州生まれ泉州育ち。
つい最近、趣味のマラソンで自己新記録を出したらしい。
新築一戸建て購入に必要なお金:「手付金」と「収入印紙」
関西ホームへ戻ってきた私たちは、中島さんに具体的なお金の話を聞くことにした。
手付金は購入代金に充当される代金の一部で売主と買主の合意によって金額が決定します。
通常は売買代金の5%~10%を頂戴しておりますが、当社の場合お客様の資金計画に応じて相談させて頂き、オールローンで購入をお考えの方には0円では難しいですが、お手持ちのお金の範囲内で対応させて頂いております。
それから、契約書に貼り付ける『収入印紙』も必要になります。
これは購入金額によって変わるのですが、建売の場合、1千万円を超え5千万円以下のものですと軽減税率の対象で1万円です。
国税庁:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
自由設計ですと、土地売買と建物の請負でそれぞれに契約が必要ですので、それぞれに印紙税がかかってきます。
国税庁:土地売買契約書の印紙税の軽減措置
新築一戸建て購入に必要なお金:「諸費用」って何のこと?
また、住宅ローンを借り入れる際の必要な費用も含めますと、印紙税、建物表示登記費用、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、融資事務手数料、ローン保証料(手数料)、団体信用生命保険料、ローン取組手数料、火災・地震保険料、建築確認費用、水道分担金、自治会入会金です。
順に説明致します。
中島さんが諸費用について以下のような説明をしてくれた。
- 1.印紙税
- 金銭消費貸借契約書(俗に金消契約と呼ばれているもの)に貼り付ける収入印紙です。これもお借入金額に応じて金額は異なりますが、1千万円超え5千万円以下ですと2万円です。
- 2.建物表示登記
- 建物を建てた時に最初にしなければならない登記で、建物の登記記録の表題部を作ります。
建物表題登記を行う事で登記簿の表題部に初めて建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積及び所有者の住所、氏名が登録され、今まで無かった対象不動産の登記簿が作成されます。 - 3.登録免許税
- 土地や建物の登記名義を変更、住宅ローンの担保にする為、抵当権などを登記する時にかかる税金です。
- 4.不動産取得税
- 不動産取得税とは、家屋の新築又は土地や建物を取得した場合にかかる税金です。
但し、建売住宅や土地購入後速やかに建物を建てられる場合はよほど大きな土地(200㎡以上)でない限り課税されません。
地方税の一種で都道府県に支払う税金です。 - 5.固定資産税
- 固定資産税とは、毎年1月1日(賦課期日)時点で土地や家屋を所有している者にかかる税金です。
地方税の一種で市町村に支払う税金です。尚、市町村により税率や減免制度の有無が異なります。 - 6.融資事務手数料
- 金融機関によって金額は異なりますが、多くの銀行が3万円+消費税を設定しています。
- 7.ローン保証料(手数料)
- 住宅ローンを借入する為には、保証会社による保証を受けなければなりません。
保証料とは、その保証会社に支払うもので、ローンの借入金額と期間に応じた保証料が必要になります。
保証料の金額については、銀行や住宅ローンの審査結果によって異なります。また銀行によっては、手数料として借入額の2.2%を要する事がありますから、銀行選びは重要です。 - 8.団体信用生命保険料
- これは住宅ローンを借りた人が死亡又は高度障害になってしまった場合、金融機関が残った住宅ローンを支払ってくれるという住宅ローン専用の生命保険です。
一般の生命保険とは違い、保険金の受取りは借り入れた金融機関になっています。
団信への加入が融資の条件になっている金融機関がほとんどで、大半は金融機関負担で加入する事になりますので、ローンの返済と別に支払う必要はありません。
(但し、ガン特約等のオプション付き保険に加入の場合には金利上乗せがあります。) - 9.ローン取組手数料
- これはお客様が住宅ローンを利用される場合、お客様に代わって色々な書類を準備したり手続きを代行する事の事務手数料で、一般には5万円~10万円くらいを請求される会社が多いです。
- 10.火災・地震保険料
- 火災・地震保険料は住宅の所在地や建物構造、建物金額や保険期間、保険内容などで大きく変わってきます。
火災保険は自由にお好きなところで加入が可能ですが、金融機関からの融資条件になっているところも多いので加入は必要です。 - 11.建築確認費用
- 建物を建築するに際し、建物の構造や断熱性等が法に適合しているかを審査機関等にチェックして頂く費用と、図面作成や構造計算等にかかる費用です。
別途、性能評価等を取得する場合にはその費用も要します。 - 12.水道分担金
- 市町により、新たに水道を利用する為に、納付する費用で水道メーター代も含んでおります。
- 13.自治会入会金
- 最近、自治会の加入は任意ですが、分譲地を開発する際に区画分を自治会に納める必要があります。
賃貸では敷金や礼金などが必要だと思いますが、住宅購入には国に払う税金や住宅ローンを組むにあたっては手数料や保証料などが必要になります。
ただ、当社の場合は売主ですので、『仲介手数料』や『ローン取組事務手数料』は発生しませんから当社の一般的な土地45坪、建物33坪程度の物件をオールローンで購入された場合で合計約130万円位が必要となります。
新築一戸建て購入に必要なお金:その他の費用
例えば自由設計をされる場合ですと、工事の無事や安全と建物や家の繁栄を祈る儀式『地鎮祭』をされる方もいらっしゃいます。
工事の着工にあたり、神職をお招きして神様にお供え物をし、祝詞をあげ、お祓いをして浄め、最初の鍬や鋤を入れ、工事の無事を祈ります。
これはお施主様のご希望ですので、行う際は神職に支払う費用と祭壇その他の準備費用とお供え物の費用が必要になります。
これは神社により多少異なりますが、当社でお世話させて頂く場合で6万円位となっています。
最近では気にされないようで、地鎮祭を行わない方も沢山いらっしゃいますよ。
今の家具も持っていくけど、カーテンや照明とか新たに必要になってくる家具も出てくるよね。
もちろん物件価格と諸費用等を併せるとそれなりに必要ですが、今の賃貸では得られない居住環境(建物自体の広さ、玄関に隣接する駐車スペース、最新の住宅設備、優れた断熱性や防音性等)と、『自分の家』と言う満足と安心感、そして今の経済情勢と持家促進する為の税制等の優遇により、今のお家賃並みの支払いで十分購入可能であるとした経済メリットもございます。
自分の家やそこに住む家族を守る為に頑張って働こうっていう意欲にも繋がるし。
何より子供に残せしてあげられるっていうのは大きいなぁ。
新築一戸建ての減税と給付金
出ていくお金だけではなく、入ってくるお金や税金の優遇などもございます。
具体的には、住宅ローン控除、すまい給付金、贈与税の非課税枠拡大などがあります。こちらも順に説明します
続いて、優遇措置や給付金についても説明してくれた。
- 1.住宅ローン控除
- 住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得する場合に、毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の0.7%が13年間に渡り所得税の額から控除されます。(但し、建物の省エネ性能により、上限金額に違いがあります。)
また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。
国土交通省:住宅ローン控除減税制度 - 2.こどもエコすまい支援事業
- こどもエコすまい支援事業は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。
国土交通省:こどもエコすまい支援事業 - 3.贈与税の非課税枠拡大
- 通常、親などから金銭の贈与を受けると贈与税がかかるのですが、住宅を購入する場合、親や祖父母から資金援助を受けると一定額までは贈与税がかからない非課税枠があります。
国税庁:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
それに親からの資金援助っていう方法があるのは頭になかったなぁ。
しかもそんなに非課税枠があるなんて。
それ以外にも、国や市から持家促進の為の助成金やエネファームや太陽光発電等の住宅設備機器の設置に対する助成金もありますよ。
お金のことについて包み隠さず話してくれたお陰で、今まで「家を建てる」なんて真っ暗な霧の中のようなイメージだったものが少し見えてきた。
だが、実際のところ私は一体いくらまで借り入れることができるのだろうか。
住宅ローンについて、中島さんに聞いてみることにした。
第四章「年収400万円台で自由設計の家を建てるには」へつづく。
一戸建ての新築に必要なお金はとても複雑。しっかりと詳しくお話いたします。
住宅購入においての疑問は、どんな小さなことでもお客様の納得の行くまでお答えいたします。
多くの方にとっては一生に一度の新築一戸建て。
不安を解消してからでないと進めるべきではありませんよね。